slappin' beatsの補助的なblogです。
音ゲー評論系中心ですが他の内容も取り扱う予定です。
旧blog→http://d.hatena.ne.jp/har-k/

邪聖剣ネクロマンサーの情報ページを作りました

先日お知らせしていた通り、邪聖剣ネクロマンサーの情報ページを作りました。

邪聖剣ネクロマンサー マニアックデータ(仮) 

http://slappin-beats.sakura.ne.jp/necro/

2007年ころからの調査をまとめたサイトとなっております。

内容は不十分ですが、暇があった時にちょこちょこ更新していこうと思います。

よろしくお願いします。

 

【邪聖剣ネクロマンサー調査①】敵モンスターのヒットポイントの変動について

RTAの記録は元記録保持者にあっさり更新されました。はるくです。

この記録、リスク覚悟の低ステータスかつ一発でラスボス突破の大記録です。おめでとうございます! 

やはりRTAにかける年季と技量が全然違いますね…私のRTAについてもラスボス戦の行動にダメ出しも貰いました。精進します。

これ以上の更新も当分無理そうなので、私の方は調査の続きとサイト作成の方を優先したいと思います。

 

 

さて、今回は敵のヒットポイントについての報告です。

まず、このゲームにおいて敵のステータスはだいたい固定だとわかりました。

データ上ではAGL・AP・AC・EX・GP辺りは固定の模様です。しかし実際の行動順やダメージ量・経験値やGP取得量についてはある程度ランダム性があります(調査中です)2回攻撃や3回攻撃についても法則がわかっておりまして、AGLにそれぞれ約4倍/6倍差があれば攻撃回数が増えるようです。

しかし、ヒットポイントだけはかなりの変動があります。実際にプレイしてみても倒せるタイミングで倒せなかったりして気付く方もいるかと思います。

そこで、固定敵のタイレルについて、1フレームづつ戦闘開始タイミングをずらし、その時のHPについて記録してみました。64データ分のグラフが以下になります。

f:id:har-k:20160112065844p:plain

なんだこれは。

一目見ただけである程度法則が見えますね…

このゲーム、乱数がSFCの某紋章の謎並にザルなような気がしてきました。

とりあえず、これらのデータをまとめるとこうなります。f:id:har-k:20160112071421p:plain

最大値 403

最小値 336

最大/最小 1.199

データは飛び値で一様に分布(正規分布ではない)し、さらに最大と最小に約1.2倍の開きがあります。

このことから、「HPは乱数で20%分の上乗せがある」ということが予想されます。

他にネードマスター・ドラゴンネードについても検証をしてみましたが、同様に1.2倍の開きがありそうだということが分かりました。可能性は非常に高いと考えられます。

HPの素の値について、現在調べた限りではRAMのアドレスにはないため、ROMのアドレスのどこかに格納されている可能性があります。容量が大きいためそこまで調査するかは未定ですが…

ちなみにこの1.2倍という値、経験値やダメージにも似たようなランダム性がありそうだと考えております。次はその辺りについても調べようと思います。

 

 

今日のところは以上です。次の報告をお待ち下さい。

 

PCE 邪聖剣ネクロマンサー RTA記録更新(+宝箱バグの場所の公開・1/15追加)

邪聖剣ネクロマンサーというPCエンジンのゲームがあります。

20年前からコアグラでプレイしているこのゲームですが、当時は攻略サイトなんていうものはなく、最初の大陸からも出られない。家庭用機はロクヨン・プレステ時代に突入し黒いハードは押し入れの中へ。

結果、実際に初めてクリアしたのはなんと2007年のことでした。

今中心的にやっているのがPCエンジンなんですよね。

 

現在の成果というと先日挙げた『パズニックカンスト*3』を初めとして、

邪聖剣ネクロマンサー二周*4

麻雀ウォーズRPGモード裏技使用短縮クリア(プレーヤー名無しで強制通行)

ダンジョンエクスプローラー(大須で買ってきた)

なんかをやっていまして、

書こうと思えばそれ一本で攻略記事を書けるのですが、時間的余裕とニーズを考えて書かなかった次第です。

メインとなるはずであったテトリス関係の記事を殆ど書けないので別の話題を書く事になりそうなのですが、

20年近く前のマイナーハードの記事書いて誰が読むんだ?*5と思うとなかなか筆が進まなくなってきまして・・・

http://d.hatena.ne.jp/har-k/20070208

当時書き間違えの頻発したパスワードですが、2007年には写メール(死語)か電源入れっぱなしで放置することで強引に対処。大人になるってこういうことなんですね。

 

 

そしてこの頃に偶然にも(!)宝箱バグでエンディングにたどり着いてしまい、色々頑張って調べて確実にエンディングに行く手順を構築、ニコ動に動画を上げたりしましたが、その後はまたこのゲームとは疎遠になっていました。

 

二年前、無謀にもRTAをプレイしている方の動画を知り、過去の経験を思い出し自分もやりたいと思いつつも、

あまりに洗練されたチャートのため、なかなか手を出せずにいました。

その後、2015年になってからミゲルアーマがフィールドに落ちていることをニコニコ大百科で知ることに

 

もしやと思いいろいろ調べた結果、他にもフィールドにアイテムが落ちていることを発見。

ダンジョンのアイテム全てがフィールドの同座標で拾えることが判明しました。

(ただし、実際に移動できるエリアにあるアイテムは現状8個11個のみです)

さらに逆転の発想で、ダンジョン内で天空城にワープ出来るバグも見つかることに。

ここまで来るといろいろすっ飛ばすことが出来るため、これはRTAの更新ができるぞと

素人なりにチャート制作が開始しました。

 

 

20年前のコアグラのコントローラの端子ピンが中折してるので今更実機の新調したり、動画収録用のHDD等の調達もあって合計数万の出費が痛かった私生活の多忙さもありましたが数ヶ月の試行錯誤の末、ついに

邪聖剣ネクロマンサーのニコ生RTA記録を更新することが出来ました!

 

 

ということで取り急ぎですが書きなぐり状態のチャートを公開いたします。

ちょっと稼ぎすぎたところがありますし、運が向いていればさらなる更新は可能だと思います。後は任せた

 

 

また、実際に調査に使った各種データにつきましては、サイトに公開しようと思っております。敵のステータス等、旧来のデータを補完する上でまだまだ調べたいこともありますので完成まではしばらくお待ち下さい。

 

 

せっかくなので無編集の動画を後で公開する予定です。

5時間弱・100GBもある動画なのでこちらもお待ち下さい。aviutlがエラー吐くので泣きたい

(更にここからゆっくり音声つきで編集する皆さんは本当に凄いと思います…)

 

 

それでは以下チャートになります。

プレイ中横目で見るために作ったので超絶見難く、文章も殴り書きですが、

RTAの更新の参考になるとは思います。ご確認ください。

邪聖剣ネクロマンサーRTAチャート
マップ座標一致バグ(通称トルース技)使用

文責:RADIO613(はるく)
------------------------------------
RTA関係の履歴
15-09-15 座標一致バグ一般化(ミゲルシルドの発見)
15-09-17 ワープバグの発見
15-09-22 ワープバグRTA調査
15-11-12 座標バグ調査終了・本チャート作成開始
15-11-xx 仮RTA(放送なし・ラストダンジョン到達までを5回ほど)
15-12-19 第1回ニコ生RTA
16-01-04 マイストチャートに変更
16-01-05 第2回RTA計測(マイストLv35になり断念)
16-01-05 座標バグ追加(フレアルト)
16-01-06 第3回RTA計測(5:46:56/記録更新)
16-01-08 当チャート後半を加筆
------------------------------------
ランダメリアの町

周囲でLv3近くまで上げ

ヘラーシャに向かう
ラフ部分は大体安全
Lv3になったらヘラーシャ特攻。死んだらリセット

ヘラーシャ宿屋ブクマ
色々売り払う
ライルも売って先にシルド買う?→確定
シルド…600
ライル…250
-----------
必要金…350

足りなかったら二人分のクライトー

頑張って城まで戻る
薬草補充

南東のほこらまでできるところまで歩き狩り
バーンの杖入手

デスルーラ「しない」
そのまま次大陸へワープ

ミゲルアーマ
ミゲルシルド

※※※ここまでで全滅したらRTAやり直し※※※

クライトーシルドマイスト装備

メノースの町
ミゲルアーマ
ミゲルシルド
渡す


鍵三つ買う
装備外して自殺


ヘラーシャの町で復活
仲間も復活「しない」
薬草回復して洞窟へ

トルース取る

スターサファイヤ→バーンの杖復活+400G
歩きながら戻る
歩き狩りしてLv上げる

ヘラーシャ戻って道具屋→出来ればひこうせき2個以上
薬草毒消し草補充(毒消し3はほしい?)

そのまま歩き狩りつつメノースへ

メノースの町ブクマ
薬草補充


ダウルー島の洞窟直行
固定ハイドラ倒す
せいはいゲット

7400G(セルス+飛行石+かぎ+やくそう)をためる
→飛行石二回でメノースへ

メノース・セルス・かぎ・やくそう購入
北の洞窟へ

洞窟までの路で
ミランダ像
4000G
フレアルト
拾う

ほこらで1600G

洞窟の所定の場所でスターサファイヤ
天空城にワープ
即飛行石 一歩エンカKOWAI
サファイヤ捨てる


Lv十分なら周囲の敵は余裕

想定Lv16
単体リーベンマクスは叩いてよし
痛恨に注意

ゾラもOK
グロスも二発
ゾッキーベア二発

歩きがれるところは歩き狩りする

ハルモニアブクマ右下

22500以上目標なので帰りながら狩る
多めに狩った方が良いかも

ケラックス毒なので即逃げ
ヨネイマスはOK

マスターキーそのまま入手
グラレム主人公へ
ハイドラグフトだけは注意(毒3連即死)

洞窟直行
魔法の羽回収主人公装備


モズマLv23超余裕
狩りながら帰宅

せいはいゲット


最低25000G・29000Gたまってるのが理想
スターサファイヤ売る
イーガスを主人公とカオスに
シーマヘルム→とりま主人公装備

薬草補充
ひこうせきは1個以外は後で

終わったら飛行石でハルモニア
最終的に必要な数
ゼライル*2(一個くらいしか買えないと思う)
ラミール購入

宿屋+セルス
ガラマンティの町へ

途中のほこらで魔法の羽(左のみ)

ミランダ復活自動でハルモニアへ戻る
エギノスの書ゲット

カルムートへ移動
宿屋ブクマ

(MP72超えてたら)ネクロマンサーまでの長い旅路スタート
グラレムカオスに渡す

運もあるけど最後は薬草でなんとか繋ぐ

ネクロマンサー取ったら薬草を12個揃えてラストダンジョンへ
主人公単体で薬草なくなるまで狩る→
ゼライル用INTを満たしたらそちらに以降
40万稼ぐ頃に一旦戻る

カオス生き返らせてミゲル装備を渡してセルス
ハルモニアちょっと前まではセルス維持
ハルモニア周辺だとミゲルでほぼ無傷なので安心してあげられる
カオスのHP150超えるくらいに
店で残りの魔法を買う(ゼライル・ラミール)
買ったら飛行石で戻る
装備を買う

そのままネード狩り第二回目
主人公70万が目安
帰ってきて装備・魔法を整える

マイスト生き返らせる・
レジール・シーマヘルム(ミゲルシルド)装備
メールスタークでHP150目安まで上げる


そのままドラゴン狩り第3回目
適宜ボスもこなす
主人公100万・カオス60万・マイスト30万が目安

 

後は先人のボス攻略そのまま(秋やぼさんアドバイスありがとうございました)

 

○1/06のRTA反省点
カオスのLv上げ時にカオスが不慮の死亡→主人公の狩り優先
結果的にカオスの成長が遅れた

 

 

※ドラゴン狩りの効率について
主Lv38あればほぼ1T撃破可能
一回の戦闘11秒で2000弱の経験値
→約180EX/秒
→約10000EX/分
Lv38からLv40にするまでの最短時間≒「20分」
→Lv38にするまでの理想タイム≒本RTAの理想タイム

このチャートを作るにあたりまして、RTA先駆者のbiimさん

ミゲルアーマ取得バロンチャートを構築した秋やぼさん

ニコ生大百科にミゲルアーマの所在地を書き込んだ名無しさん

今年になって公開されたダンジョンマップ*1をはじめとする各攻略サイトの管理者の方々、

皆様に厚く御礼を申し上げます。

ありがとうございました!

 

 

参考:各アイテムの宝箱の場所(通常の攻略にもお役立てください!)

ミゲルアーマ(ビレッタ周辺)

f:id:har-k:20160108042251p:plain

 ミゲルシルド(ビレッタ周辺)

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 トルース(ヘラーシャ周辺・要カギ)

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ミランダのぞう(メノースの先の砂漠)

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フレアルト(メノースの先の砂漠)

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4000GP(メノースの先の砂漠)

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1000GP

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ちからのしるし

f:id:har-k:20160112074309j:plain

※エルサーパ(チャート未使用・後で撮影予定)

どくけしそう(ハイドラの橋の先。追加調査で発見・後で撮影予定)

※めがみのかざり(ハイドラの橋の先。追加調査で発見・後で撮影予定)

※スターサファイアのワープ場所(メノース北の洞窟。後で撮り直します)

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追記:

 

slappin-beats.hatenablog.jp

C89告知

お待たせしました。はるくです。

今回は新刊はクオリティアップのために延期とさせていただきました。

(デザインについても考え直したいと思っています)

表紙を書いてくださった方、大変申し訳無い…

 

 

気を取り直して今回のおしながきです。クリックで詳細ページが開きます

 f:id:har-k:20151230125100p:plain

他にもサイトに記載しておりますのでそちらをご確認ください。

個人サークル"slappin'beats" 「BMSの歴史本。」等 情報ページ

それではよろしくお願いします!

 

 

 

音楽ゲームから「キー音」が消える日 #音ゲーマー達の発信所

あいさつ

 皆様お久しぶりです。

 #音ゲーマー達の発信所 (1枚目) Advent Calendar 2015 - Adventar

 21日目(e-amuのメンテ時間的な意味で)を担当させていただきますはるくと申します。

 今回は「キー音」について以前から考えてきたことを文章化いたしました。

 取り急ぎの文章なので改訂は都度行っていこうと思います。よろしくお願いいたします。

概要

 「音楽ゲーム」と呼ばれるジャンルが誕生して約20年、コナミbeatmaniaのブームによってもたらされた「キー音」という概念は、2015年現在の主流の音楽ゲームからは淘汰されつつある。

 現在の状況における「キー音」の必要性と、それに取って代わられた「操作音」について、「筐体性能」と「人間の視聴覚の認識のズレ」の観点から考察を行う。

※注意点

 この文章における「筐体性能」に関しての文章は、一般的な観点からの推測による部分が大きく、実際の筐体性能について具体的な検証を行っていない事をご了承ください。

 「キー音」の誕生

 音楽ゲームというジャンルの誕生は1996年の「パラッパラッパー」が起源と言われている。

 


パラッパラッパー stage1 Parappa The Rappa - Chop Chop Master Onion

 パラッパラッパーは音楽に合わせてボタンに対応した「掛け声」を合わせるのが基本であり、当時は楽曲に対しての干渉は行っていなかった。

 キーを押すことで楽曲に干渉する事ができる初めての音楽ゲームは1997年の「beatmania」が初出となる。


beatmania - u gotta groove

 これは当時のDJの作曲方法として「サンプラー」のボタンに音を用意し、リズムに合わせ操作することで音楽を作曲することが主流だった事から発想を得て作られたゲームである。(当時はパソコンで曲を作る方法に関しては「DTM(DeskTop Music)」という言葉があてられていた)

 音楽を演奏するゲームとしての「音楽ゲーム」の第一歩であるこの作品の大ヒットによって、プレーヤー側が「キー(ボタン)によって楽曲の構成に干渉する音」として、「キー音」という言葉が誕生した。

「キー音あり」ゲームの拡大とその派生

 beatmaniaのブームを受け、コナミ音楽ゲームBEMANIシリーズと位置づけ、数々の派生作品を発表していった。大きく分けて3つに分類される。

 キー音ありのもの

 楽器を模したもの(キー音はデバイスの音を模したもの)

 ダンス系ゲーム(キー音なし)

  上2つは実質的に「キー音によって演奏できる」ゲームであり、ダンスゲームを除いては「音楽ゲーム=キー音あり」のスタンスをとっていたことが分かる。

 またコナミbeatmaniaの適用範囲の広い国内特許を持っていたこともあり、他社は同様のゲームを出すことが出来ない状態にあった。(余談ではあるがキー音周りの特許についてはdrummaniaのみ却下されている。YAMAHAの特許範囲内だったためであり、筐体にYAMAHA社のロゴがついていたのもその影響かと推測される)

 そのため国内の他社は主として2つめの「楽器を模したもの」にアレンジを加えた作品を作ることでこれらを回避することになる。

 このうち太鼓の達人に関してはその直感的なデバイスと、学童も対象とした客層の幅広さから、長きに渡り音楽ゲームの代表作品として存在し続けている。

jubeat」というキー音なしの音楽ゲームの衝撃

 誕生当初こそ上記のような作品が誕生したものの、その後はシリーズ化されるヒット作が誕生しないまま5年以上が経った2008年、その作品は突如として日本のゲームセンターに登場し、音楽ゲーマーの注目を掻っ攫うことになる。

 「jubeat」である。


Jubeat Y.S-Y 凛として咲く花の如く Extreme

 縦置きにした液晶パネルの下側に16枚の透過ボタンを固定した構造で、透過した部分に配置されたノートを「上から押す」仕組みである。

 従来の音楽ゲームでネックであった「画面の指示をコントローラーの入力と一対一対応しなければならない」という所が、「見たところを押す」操作に置き換わったことで、音楽ゲーム初心者の取り込みに成功し、当時のbeatmaniaIIDXを遥かに凌ぐ大ヒットゲームとなった。

 しかしこのゲーム、ロケテスト時に最も注目を集めたのが「キー音がない」事であった。

 当時はキー音こそが音ゲーたる所以であると考えられていたことや、beatmaniaのシミュレータ界隈の事情から「キー音がない=音楽ゲームとしてはまがい物」という認識を持たれていた当時、このゲームに関してはかなりの批判が巻き起こることとなった。

キー音無しが主流となったjubeat後の音楽ゲーム

 結局のところ、jubeatが大多数に受け入れられたことによって、「キー音がなくても音楽ゲームとしては面白いものが作れる」という認識が生まれた。

 このヒットにより、その後もコナミはキー音のない音楽ゲームを続々と生み出していった。

 キー音のないコナミ音楽ゲーム

  • jubeat
  • REFLEC BEAT(判定音)
  • SOUND VOLTEX(一部エフェクト音)
  • BeatStream(判定音)
  • MÚSECA

 また、jubeatはそのルール上の性質からタッチパネルと相性が良いため、iOSに移植され(その後Androidにも移植)それに影響された派生ゲームがアプリとして多数公開されている(あまりに多いので一覧は省略)

 他社のアーケードゲームについてもキー音のない作品が多数登場。とくにセガの「project DIVA」「maimai」「チュウニズム」の3シリーズは学生をターゲットとした音楽ゲームとして急成長し、現在では音楽ゲームの主流を担うまでに至っている。

 こういった状況の中で現在の(楽器の音ではない)「キー音あり」の音楽ゲームである「beatmania IIDX」「ポップンミュージック」については少数派の音楽ゲームとなっており、2年ほど前にポップンミュージックキー音無しの楽曲を入れ始めた事もあり、コナミでは唯一beatmania IIDXのみが全曲キー音有りを守り続けている、というのが現在の状況である。

 

 こういった現在の状況で(演奏音のゲームを含めた)「キー音あり」という作品にどれだけのメリットがあるのか?というのが今回の内容である。ここまでが前置きだが非常に長くなってしまった。

キー音が「聞こえる」まで

 さて、キー音というのは「デバイスを押した時に鳴る」音である。しかし、ボタンを押した「瞬間」から音が鳴るのではなく、以下の処理が連続的に起こっていると考えられている。

  1. キーを「押した」と人が認識する
  2. ボタン(センサー)のスイッチがONになる
  3. プログラム側でONを認識する
  4. 音声として処理する(別処理で判定処理も)
  5. ほかの音声とのMIX・イコライザー処理を行う
  6. デジタル-アナログ変換を行う
  7. アンプからスピーカーに送る
  8. スピーカーからの音が耳に伝わる

 これだけの処理が毎回行われる。これはソフトウェアだけでなく、スイッチの感度やハードウェアの性能によっても左右される難しい領域である。

  また、ゲームセンターによってはヘッドホンアンプを外付けでつけている場合もある。その場合は7から先が別系統に分岐する。この場合、本来の7-8で調整されていたタイミングと同期が取れているかは未知数である。(ヘッドホンアンプの入力にノイズフィルター等が絡むのでたいていは従来より遅れると考えている)電源ノイズのフィルタは入っていないそうです。

 さて、beatmania時代・そしてIIDXの8thまでのこれらの処理はゲームに特化したプレイステーションベースの専用基板を利用しており、映像再生はDVDプレーヤーによる再生という別系統で処理していたため、処理は比較的軽かったものと考えられる。

 しかし、9thから組み込み機器用のWindowsXPに置き換わった影響で、映像はDVDから荒くエンコードされ、音声系統との同時再生を行うようになった。

 優先度を割り振るリアルタイムOSの仕様上、従来の処理である「プレイ部分の描画」と「BGM・キー音声」に「映像ソース」を加えた3系統の同時処理はかなりの負荷になっていたと推測できる。

 結果として、ボタンを押した後の発音はこの時から遅れが生じ始めた。基板性能の向上によってある程度は改善されたと考えられるが、OSが現在も同一であり、(WindowsXP。組み込み用なのでサポート終了は別だが来月まで)OS内部の処理による発音遅れは少なからずあるものと推測される。

 この「音が遅れる」という問題はキー音ありのゲームに限った話ではない。タップ音しか鳴らない近年のタッチパネルの音楽ゲームでも、負荷の大きいかつ重要度が高い音楽や映像再生がもたつかないように対策をとった結果、タップ音の遅れが「人が分かるレベルで」生じているゲームは複数存在する。

 特に最近話題の「アイドルマスターシンデレラガールズ・スターライトステージ」については3D処理も多用している関係かこの現象が顕著であり、タップ音をオフにしてプレイする人も(私も含め)存在する。

ボタン発生音の遅れによる影響とゲーム側の対策

 「ボタンを押したら即座に音が出ない」というのはキー音ありの音楽ゲームとしては致命的となる可能性がある。

 例えば、4つ打ちのバスの音を15Fおきに叩く場面が存在するとしよう。プレーヤーにとってはこの「バス音」が実際の楽曲のリズムと捉えるのである。

 あるタイミングで叩いた音が正しい判定を表示し、次の判定も正しい判定を表示したとする。この場合、プレーヤーはこの間隔が15Fであると判断するはずである。しかし、音声の遅延が1Fあった場合、バス音は「最初に叩いた瞬間から16F後」に鳴ることになる。

 もちろん、最初に叩いたバス音も1F遅れて出力されているので、バス音を頼りに1F早めに叩いていれば15Fの間隔を保つことは出来る。しかし、あるタイミングでバス音を聞き逃した場合、叩いてから16F後のバス音の間隔を「15Fと勘違いする」ことに繋がるのである。

 これを15Fと思って叩くと16F後に叩くことになるので次は17F後にバス音が鳴り、それも参考にしてしまうとまた遅れ…という連鎖を繰り返し、最終的にはゲーム側は「悪い」判定を下すだろう。これはリズムに乗って演奏する「音楽ゲーム」として正しい姿なのだろうか?

 

 一つの回避策は存在する。キー音の開始音をフェードイン、もしくはBGMにも若干の音声をもたせたうえで、重ねて再生することで違和感を解消する方法である。これであれば正確な演奏さえしていればリズムのズレは気にならなくなるので従来と同様の(この呼び方には語弊があるが)「演奏感」が保たれる。

 しかしこの方法にも欠点がある。

  1. 制作側の処理の複雑化
  2. 「外れた演奏」の場合の音声の貧弱化による演奏感の弱化
  3. 「細かいキー音」の処理をするとより聞こえにくくなる

 1としては楽曲全体として考慮しつつキー音に処理を加える事になるため、従来の「サンプラー」的な音源作成は難しくなる。

 2は中級者以下に対して厳しい課題を突きつける。音の出はじめのキー音のボリュームを弱めることになるため、3と合わせて叩いた音がわからなくなる現象を生み出してしまう。

 キー音あり音楽ゲームには誕生当初から「うまく演奏しないと音楽として満足したものが聞けない」という欠点があったが、その問題は(音が細かくなればなるほど)ある程度熟練した人に対しても立ちはだかることになる。

「音声とは別系統の」映像の遅延問題

 ここまで、「音楽ゲームにおける音声の遅延」の話をしてきた。しかし、皆さんに馴染みのあるのは音声よりも「映像の遅延」だろう。音楽ゲームもブラウン管から液晶モニタに変わった時にさんざん議論になり、今なおシューティングゲーム格闘ゲームで重要視されている問題である。

 これ以降の話を進める上でここではっきり言っておきたいことがある。

 「映像の遅延は音声の遅延とは関連性がない」

 これを頭に入れておいて欲しい。今のゲームは「映像も遅れていて」かつ「(基本的には)音声も遅れている」のである。そしてそこには相関性は存在しない。

 基本的に、「映像の遅延のほうが音声の遅延よりも顕著」である。なので普通の液晶テレビなどについては、「意図的に音声にディレイを掛けて映像の遅延に合わせて」いるのである。ブラウン管を捨てた現代のテレビはその「遅れ」を気にしていないだけなのである。

 音楽ゲームにおいても同じことが言える。「音声が遅れていても、同じ時間だけ描画が遅れていれば結果として音楽ゲームは破綻しない」のである。

 しかし「キー音」と「筐体差」が絡むゲームだとそうはいかなくなってくる。

 例えばbeatmaniaIIDXの場合、以下の処理があると思われる。

 

f:id:har-k:20151222025150p:plain

  ゲームとしてここまで複雑化しているうえ、最悪なことにbeatmaniaIIDXの場合は「筐体外部の要素すべてにおいて(改造も含めた)多種多様の筐体差」が存在する。それらに対してすべて対応するのは困難であろう。

 しかし、「キー音が無い」ゲームに関してはここまで考える必要がなくなる。なぜか?それは、「入力に対してフィードバックが必要ない」からである。

フィードバックが必要ない「キー音なし」ゲーム

 「キー音あり」の音楽ゲームは、押した音に対する「発音」をゲーム側が返す必要がある。発音を即座に出すために「予め音源を用意しておく」必要もあるため、プログラムの「裏方」はフル稼働していなくてはならない。

 しかし、既に楽曲が完成されている音楽ゲームに関しては「発音」は不要であり、もっぱら押したタイミングと「ゲームの処理上で正しいと思っている」タイミングが合致しているかどうかに注力すれば良い。音声発音もせいぜい判定音を幾つか用意したものを都度出せば良いので、キー音ありゲームと比べれば処理は遥かに簡略化出来る。(ここまで省略してきたが、楽器演奏系の音楽ゲームもこれに該当する)

 また、「ゲーム側が正解だと言っている」タイミングとプレーヤーのタイミングが合わないのであれば、「判定を前後にずらす」ことで容易に解決も可能である。つまり、ゲームの処理上の判定にかかわらず「プレーヤーが正確に演奏できている」という成功体験を享受しやすいのが「キー音なし」ゲームの利点なのである。

タッチ系センサーは判定が「早い」

 現代の音楽ゲームは「タッチ系センサー」を使っているものが多い。最も主流なのは「静電容量式タッチパネル」で、iOSAndroid系のゲーム、チュウニズムやcrossbeats REV、ビートストリームと言ったアーケードゲームに使われている。他の手段としてはリフレクビートDJMAX TECHNICA(おそらくはシンクロニカも)については「赤外線式」を採用している。

 これらに共通することがある。「タッチする前から"触った"という判定が出る」という事である。

 静電容量式というのは、指先の肉が「コンデンサの役割を果たす」事を利用して、指を近づけた時の物理量の変化をセンサーとして用いているものである。 指先の「コンデンサ度」は人それぞれであり、時期によっても変わるため、ある程度許容幅を持った設計を行うことが一般的になっている。 チュウニズムに関してはこれが顕著であり、薄手の手袋をしても大丈夫なように「数ミリ離した状態」でも反応する様にできている

 赤外線式は「画面の表面上に赤外線が通過して」おり、それを遮った時に判定が発生する。これも赤外線にある程度の「高さ」を持たせているため、ぎりぎりタッチしていない状態でも反応することがある。

 

これらの話に関しては以下のサイトが詳しい。

www.itmedia.co.jp

 

 これらから言えることは、プレーヤーが「触った」と感じる前よりも早く「タッチ判定を知る」事ができる、つまり「入力処理タイミングの前借り」が出来るようになったということである。勿論その時間は一瞬で、なおかつ静電容量センサの位置検出の時間も必要になるため差し引きマイナスになる可能性も十分考えられるが、内部処理を連続的に行う必要がある音楽ゲームとしては見逃せない仕様である。 

 特にチュウニズムに関してはセンサー系統を簡略化している関係上、この利点を大いに利用している可能性も考えられる。チュウニズムの「タッチ音の発生」に関してはとても反応が良いのは事実である。

「キー音」は本当に必要か

 ここまで、現代の「キー音あり」の音楽ゲームは、かつて卑下されてきたほかの音楽ゲームに対して優位な点はさほど無いという事を述べた。

 キー音ありのゲームの利点とは「叩いたら演奏音が鳴り、音楽に没頭できる」という点である。しかし、それを活かした音楽作品は、現在のゲームの楽曲群の一体何割に該当するのだろうか。むしろ、音楽に合わせてライブ感覚で「手拍子をする(クラップ音)」「鈴を鳴らす(ベル音)」行為を疑似体験している「キー音無し」音楽ゲームの方が、よりふさわしい姿になっていないだろうか。さながらそれは最初に挙げた「パラッパラッパー」のように。

 beatmaiaIIDXは高品質な楽曲に没頭しながら「画面上部から出現したノートを、○○○ms後に正確に打鍵する」リズムシューティングゲームとして最高級の作品なのは紛れも無い事実である。しかしキー音の必要性が薄れるこの時代、ポップンミュージックと同じように「キー音無し移植曲」が登場する日が来るのではないか。私はそう恐れてやまないのである。

 

 

チュウニズムのゲージ減少量について

www.youtube.com

吸血鬼の力とハピスカの時に学んだ念力でチュウニの曲をクリアしました。はるくです。

メインで使用しているカードは通常マスを全曲解禁していたため、

2マスクリアの為にサブカで物語マスを踏破しました。

念力の修行苦労の甲斐があってよかったです。

 

さて、この結果や検証の為に撮影したほかの動画を確認したところ、今まで不明だったゲージ減少量について私なりの仮説を立てる事が出来ました。

 この仮説ならば「3ゲージ目まではゲージが伸びる理由」も説明できます。

SLIDE系はTAPの半分の減少量の為、TAP基準と思われる+300では減少量を上回る数値となり、その差分が伸びる結果となったわけです。

 減少量がわかった事でこのスキルが具体的にどれだけの補助作用があるかも判明いたしました。

ガード系に匹敵する減少量が無制限に使え、さらに自然増加も+20000くらいは貰える。

クリア目的ならばかなり強いスキルだと思います。

 

これを最大限利用した例は以下。どちらも「2ゲージ目までHOLD系を全捨て」でクリアしています。

レートは投げ捨てるものではない

 

 

この調査にはris.さんの先行調査(増加量も2:1になると思われる)が大いに役に立ちました。この場を借りてお礼申し上げます。

ris. (@hctauqs) | Twitter

スキル「吸血鬼の力」の可能性について

はるくです。評論の為でもありますが、とりあえず音楽ゲームだったら何でも手を付けています。

先日セガから出たチュウニズムというゲームは「話題性を抜きにしても」システムとして本当に、本当によく出来ているゲームなので結構やっています。(この話はいずれまとめたいですね)

さて、このゲームのスキルについては以下の「定石」が成立しつつあります。

  • 5マスまではとりあえず「ゲージブースト+7」が万能
  • 6マスは「FREQバースト+1」or「オーバージャッジ+3」(序盤だと「するがモンキー+3」も)
  • 7マスは「勇気のしるし+3」が一番安全(スキル音はAJ以上を狙うのにも有効)

しかし、これらは「ある程度ミスをしない人」、レートでいう所の13以上の人へのアドバイスであって、それ以下の人にとっては一番上の「ゲージブースト」くらいしか参考にならないものでした。

ここで、私はあるスキルに注目しました。「吸血鬼の力」です。

 

阿良々木 暦 -CHUNITHM【チュウニズム】攻略wiki - Gamerch

吸血鬼の力+3

一定時間ごとにボーナス+260
MISS時にボーナス+300

MISS時にボーナスというのは奇妙に感じますが、実際に使ってみると意外な効力を発揮します。

ノートが多くなればなるほど1発あたりのゲージ増加量が減るため、ボーナスの恩恵をより得やすくなるのです。

おおよそ50ミス以上するような実力の人であるならば、ゲージブーストを育て切らない状態では吸血鬼の力の方がゲージを稼ぎやすいと思われます。

 

さらにこのシステム、ホールドやスライドノートに対してのボーナスがミスの減少に対して非常に大きく、2ゲージ程度ならば押さない方が増加するという現象が発生します。(「なでこスネイク」がほとんど減らない件と合わせて不具合臭い気もします)

(09/07追記)挙動は正しいことが分かりました!

slappin-beats.hatenablog.jp

 

 

以下に色々無操作で「吸血鬼の力のみでゲージが伸びていく」動画を撮ってきました。検証にご活用ください。

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