スタンダードマラソンの最大効率について
注:以下の文章は数学的に書いているので計算式が多く理解するのは大変かもしれません。
悪く言うと『理屈っぽい』ですが、計算式自体は中学卒業程度のレベルだと思うので考えれば分かると思います。
結果だけ見たいのなら計算をすっ飛ばして下のほうをどうぞ。
T-SPIN Doubleをできるだけ多く組めるようにと考え出したのがST積みなのですが、
実は1ライン当たりの素点で言うと、一番高いのはT-SPIN Singleの高得点のほうだったりします。
というのはhttp://tetrisds.moero.info/index.php?%C6%C0%C5%C0%CB%A1%C2%A7より、
それぞれの素点は、
Back to Back Tetris-------------1200 Back to Back T-SPIN Single(Hi)--1200 Back to Back T-SPIN Double------1800 Back to Back T-SPIN Triple------2400
となっているので、1ラインあたりで換算すると、
Back to Back Tetris------------- 300 Back to Back T-SPIN Single(Hi)--1200 Back to Back T-SPIN Double------ 900 Back to Back T-SPIN Triple------ 800
となるためです。ちなみにTripleが全く使えない(…と思っていた)のはこの理由によります。*1
そこで、積み方については後回しにして、一番効率のいい消去パターンは何かを考えてみましょう。
「そりゃT-SPIN Singleを連続でやればいいだけだろう」と思う方も多いと思いますが、
T-SPINに必要なT字ミノと言うのは7回に1回しか出て来ない為、
T-SPIN Singleばかりやってると余計なミノが余ってしまうのです。
例として手前味噌ですが613式ST積みを考えます。
これはテトリス1回につきT-SPIN Doubleを4回やっている形となります。
よって、
より、12ラインにつき4個のT字ミノを使っている事になります。
ちなみに12ライン消すのに必要なミノ数は、
より30個となり、うちT字の数は、
より4個強となり、この数よりT字ミノが少ないST積みは無駄なライン消去は必要ないことが分かります。
逆に12ラインを消す間に5個以上のT字ミノを使う積みだと他のミノが余ってしまう事になるのです。
ここで、小数点以下をミノのツモのランダム性による無駄なT字ミノと考え、
他の場合でも『12ラインで4回のみT-SPINを使うライン消去の組み合わせ』を考えてみる事にします。
ここではTetrisよりも素点の高いT-SPIN Tripleも考えます。
まず、Single(Hi)・Double・Triple・Tetrisの各使用回数を と置き、
12ラインを1セットとして得点と使用回数の連立方程式を立ててみます。
このとき最初の一回のBtBでは無い得点は考えず、全てBtBの得点とします。
そうすると、
…ライン数
…T字ミノの制限
…1セットの合計点N
この連立方程式を解くのですが、4つの変数に対して式が3つ(実質上2つ)なので一般には解は無限にありますが、
この場合は変数は自然数なので解はいくつかに絞られます。
全て書き出すと、
の5通りしかない事が分かります。
よってこの五通りの合計点Nをそれぞれ出してみると、
ということで、
なんとT-SPIN Tripleを連続で出したときが一番高く、T-SPIN Singleを4回出すと一番低くなり、
そしてそれ以外の3つのどの組み合わせを用いても点数は変わらないことが分かります。
要するに一番効率がいいのは連続T-SPIN Tripleですが、
T-SPIN Tripleを『20G時に』『ミノの偏り無く』『連続で』出しつづける方法は今のところ分かっていません。
将来的に誰かが発明する可能性はありますが、現状では8400点のパターンが一番効率がいいことが分かりました。
要するに結論は、無理にT-SPIN Singleを狙わなくてもST積みでこれが代用できてしまうと言う事になってしまいました。
ST積みを考案した時はそんな事は考えていなかったと言うのに…
自分で計算した結果を見たときは驚きました。まさかこんな事になるとは。