「覚えゲー」であるクロスビーツをiOS版はいかにゲームシステムとして昇華していたか
はるくです。コミケお疲れ様でした。
昨日、このような記事がREVプレーヤーから投稿されていました。
基本的には同意です。
しかし、「覚えゲー」としての側面が強いゲームを何の指標なしにやらせているREVのシステム
(唯一あるのは「MASTER譜面のフルコンボ」という途方もなく遠い目標)については否定せざるをえません。
それでは「同じ覚えゲーのはずである」iOS版はどうだったのか。いろいろと書いていこうと思います。
iOS版クロスビーツは「覚えゲー」を苦痛とさせないゲームシステムだった
覚えゲー要素が強いゲームであるクロスビーツですが、iOS版のシステムはそれを「段階的な目標達成」に昇華させるシステムが秀逸でした。
○アンロックチャレンジ
区分された目標を用意し、自分に合った目標を設定させることで、何度も練習させて覚える作業を解禁作業に変換することができるようになっています。
また、サポートによって「ポイントを貯める」作業が、そのまま自身のアンロックチャレンジに有利に働くという相乗効果をもたらすことになります。
基本的にはアンロックチャレンジで解禁するころには10回程度のプレイはしていることになりますが、解禁までにここまで同じ譜面をプレイさせる仕組みはほかのゲームにはない特徴です。
それにより、「譜面を覚える」作業のストレスがある程度軽減されています。
○スコアアタック・累積イベント
スコアアタックについては、課題曲を集中的に練習させることになるため、覚えゲーが強いゲームとしては一石二鳥といえます。
課題曲の種類についても、収録曲をまんべんなく採用したり、先行収録曲・ガチャ専用曲を限定プレイさせることによって同じ曲ばかり練習させることによる「飽き」を解消しています。
累積イベントは「効率の良い曲」に集中することになるために練習の効果は限定的ですが、どんなに失敗したプレイでも累積スコアとして蓄積されるのはメリットともいえるでしょう。
○RPやフルコンボ数による曲の解禁
プレイが上達することでプレイできる曲が増えるというのであれば、「覚える作業」もそれ自身が糧となります。
これはプレイ回数の蓄積による解禁とは異なり、1回ごとのプレイに高い価値を与えるものになります。
○リトライによるチケットの軽減
反復練習にお得感を出すことで、失敗以後の「捨てゲー」行為をしなくて済むと同時に、リトライをすること自体が継続プレイとなるので習熟度が高くなることが期待されます。
こういう要素を盛り込むことで、たとえ「覚えゲー」が強いゲームでも効果的に練習できるようになっています。
これは現在のBEMANIシリーズで主流となっている「プレイ回数による解禁作業」とは一線を画した、非常に強力なゲーム要素だったといえます。
ゲームシステムはタッチパネルのみという仕様上、AC音楽ゲームと比べてやや劣るものでしたが、「家・屋外問わずどこでもプレイできる」iOSの音楽ゲームとしては随一の出来だと評価しておりました。
対してREVはどうでしょうか。アーケードゲームのシステム上、制約がiOS版よりも大きいため、採用できない要素も多くあり、これらは新要素にて補完するものと予想しておりました。
ロケーションテスト等でも、まだ開発中のために新要素はそぎ落として公開されているものとばかり思っておりました。
結果としましては皆さんがプレイされた通りです。
上記の要素はすべて排除され、アーケードゲームとしては単純、かつ難解な「ゲームシステム」のみが残されました。上達に対しての報奨や指標に乏しく、解禁もポイント解禁という「BEMANIシリーズ」とさほど変わり映えしないありきたりの方法。
表記不具合や解禁トラブルも多く、「とりあえずガワだけ持ってきました」的な作りにある意味失望を覚えています。
せめてiOS版で練習してもらえたら…という思いで書いた本が、今回のコミケで急きょ作ったコピー本になります。
アーケードゲームについてはどれだけ批判があっても「批判が多く寄せられるだけマシ」で、筐体が残っている限りいくらでも挽回は可能なので、メーカーにはここから頑張って頂きたい
— はるく C88 3日目東T59a (@radio613) 2015, 8月 10
先日このような事を書きましたが、これは本心です。
ゲーム性は変更できませんし、タッチパネルゲームとしてハンデがありますが、今後「覚えゲーでも楽しく上達できる」システムに改善されることを願っております。