slappin' beatsの補助的なblogです。
音ゲー評論系中心ですが他の内容も取り扱う予定です。
旧blog→http://d.hatena.ne.jp/har-k/

音楽ゲームにおけるライセンス曲の役割について(SDVXについて追記)

どうも、はじめましての人は初めまして。
はるくと申します。

普段は音ゲー中心評論サークル「slappin' beats」として活動しております。
BMSの歴史本やサファリ難民本をご存知の方もいるのではないでしょうか。
今回もそんな感じで音ゲー評論を書いて行こうと思いますので最後までお付き合いください。


さて、まずはこちらのグラフをご覧ください。
f:id:har-k:20141216200722p:plain
これは、現在の音楽ゲームに収録されている曲のうち、ライセンス曲数の割合です。
ライセンス曲にはJ-POPなどの版権曲、他ゲームBGM、コラボレーション楽曲等を含みます。
ただし、コラボ曲に関しては初出が音楽ゲーム作品の場合はオリジナル曲に分類しています。


見ての通り、割合に関してはmaimaiやグルーヴコースター、そして「ほぼすべての曲がライセンス曲で稼働した」ビートストリームが圧倒的に多く、次いで太鼓の達人ダンスエボリューションがその次、というのが見て取れると思います。
jubeatポップンミュージックの位置について意外に思われる方も多いのではないでしょうか。
jubeatも稼働当初は版権曲の割合が多かったのですが、版権局の追加ペース以上にコナミオリジナル曲が増えすぎた影響で割合が少なくなっているのですね。
それ以外にも、ダンエボ・ビートストリームを除く他のコナミ音ゲーも軒並み割合が低いのが分かります。
このグラフには記載していませんが、beatmaniaIIDXもほぼすべてがオリジナル曲で占められています。


さて、ここからが本題です。
これらのライセンス曲は、主に「何のために」収録されているのでしょうか。
それは主に「新規の人がプレイするきっかけ」になるからです。
音楽ゲームに限らず、新規ゲームはプレーヤー数を増やす事が至上命題ですから、まずは人を増やす為の有名なライセンス曲を「宣伝広告として」入れるのが通例です。
そしてそういう人の為に難易度は出来るだけ簡単に、出来るだけプレイしやすい環境で揃えるわけですね。


しかし、その曲が一部の人、一部の世代しか知名度の無いものであった場合、その目的は無に化します。
最近BEMANIシリーズにおいて、U.M.Uというご当地アイドルの曲が大量に収録される出来事がありましたが、その目的をU.M.Uは失念していると私は考えます。
局地的な知名度しかない曲をわざわざ入れるという事は、それ以外の大半の人に「全く無名の新人のオリジナル曲」を収録したのとほぼ同等の効果をもたらします。それがアイドル系ボーカル曲ならばなおさらです。
よって、私としてはU.M.Uは「望まれないライセンス曲」扱いとして考えています。


話を元に戻します。
さて、「知っている曲が入っている」と聞いてその音楽ゲームに1クレジットを入れて、そこで面白いと感じた時、次はどの曲を選ぶでしょうか?
恐らく、次も「知っていて、ある程度気に入っている曲」を選ぶ事でしょう。
わざわざ全く知らない曲を選ぶのは、よほどブレビューがキャッチーな曲でない限りはあり得ない事です。
初心者にとってのオリジナル曲と言うのは「他に知っている曲が無い」時に試しに選んでみる程度のもので、他に遊ぶ選択をする曲があれば後回しにされる曲なのです。


そのゲームの面白さを理解してもらうためには一回や二回では十分ではなく、10回、20回と遊んでみてゲームの「コツ」「テクニック」を理解していく事で、初めて本当の面白さを知る事になります。
よって、初心者を呼び込みたい音ゲーに関しては、そこまで飽きさせないように「出来る限りのライセンス曲を詰め込むのが理想」という事になります。
事実、セガのmaimaiは頻繁にその時の有名ライセンス曲を増やし、もしくは太鼓の達人のように(ハード制約などの理由で)新たに有名になった曲へと入れ替えを行うことで、新規参加者へのアピールを絶えず行っているのです。


しかし、それと正反対の方針を取っている音楽ゲームがあります。「BEMANIシリーズ」です。
BEMANIシリーズの大半は、版権曲の数はそこそこに、世間では全く知名度のないどころか、そのゲームで初お披露目のオリジナルの楽曲を年に数十曲も収録しています。
これでは新規参入者を阻んでいるかのようにも見えてもおかしくありません。
そのような状況にもかかわらず、十数年前から今に至るまで、BEMANIシリーズは音楽ゲームの金字塔として、知名度もプレーヤー数も上位をキープし続けています。


このようなオリジナルだらけの状況でBEMANIが成り立っている理由は何でしょうか。
それは「BEMANIコンポーザーの知名度」に他なりません。
大半がコナミ社員で占められる彼ら音楽家たちは、BEMANIシリーズに曲を提供しているだけではなく、彼らの楽曲こそが目玉といわんばかりに、象徴的な曲を生み出し続けています。
そしてそういう曲を求めて、BEMANIプレーヤーたちはクレジットを重ねるのです。
つまりBEMANIプレーヤーは、「好きなアーティストの新曲だからとりあえずCDを買う」という旧来の邦楽の購買心理と同じように、BEMANIコンポーザーの新曲を「アーティストの新曲」という感覚で選択しているのです。
この事から言えるのは、BEMANIシリーズに限っては、オリジナル曲自身が言わば宣伝曲となっている、「ライセンス曲の役割を果たしている」という事に他なりません。


この光景はBEMANI合同企画などの連動イベントにおいて顕著にあらわれています。
他の音楽ゲームの有名な「移植曲」が注目され、解禁の為にプレイを重ねる光景は、BEMANIオリジナルが「他BEMANIシリーズからのライセンス曲」という扱いになっている証なのです。


逆に、そういったBEMANIプレーヤーからすると、ライセンス曲はコナミオリジナル曲と比べて相対的に「知名度が低い」という状況になりえます。
ライセンス曲は前述の理由から難易度が低い事が多く、従来プレーヤーには物足りなさを感じる事も要因の一つです。
この逆転現象による影響が如実に出た作品が「ミライダガッキ」「ビートストリーム」です。
これらは音楽ゲームの初期のセオリーである「ライセンス曲を詰め込んだゲーム」にもかかわらず、さほど人気が上がっていません。
他のBEMANI音ゲーマーから興味を示されていない為です。
ミライダガッキに関しては、その後もライセンス曲が増えないまま他音ゲーの移植曲ばかりが増え、結果として他のBEMANI系作品と殆ど変らないライセンス率になってしまいました。


この状況はひとえに、BEMANIアーティストと言う名の社員中心の人物がオリジナル曲の価値を高める事に腐心し、それを長年築きあげてきた信頼と実績に寄る物に他なりません。
自社生産できるオリジナル曲という強固な集客要素こそ、いままでの強大なBEMANIシリーズを20年近くも形成し続けられた訳です。


しかし、その強固な「コナミオリジナル」にも、最近陰りが見えてきました。「有名アーティストによる提供オリジナル曲」の強化です。
beatmaniaIIDXは従来からその収録曲のほとんどをオリジナル曲が占めており、ライセンス曲は殆ど収録されない事が特徴です。
しかし、そのオリジナル曲の中の「BEMANI系コンポーザー以外の提供曲」がイベントの中心曲に採用されたり、ボス曲として君臨することが多くなっています。
理由としてはいくつか考えられます。


例えば「曲のマンネリ化」です。
コンポーザーにはそれぞれ楽曲の作風があり、それを持ち味としているアーティストもいます。
しかし、BEMANIシリーズの種類が増え、曲が頻繁に収録されるようになるにつれ、同じコンポーザーによる作風の似通った楽曲が同じシリーズ内に大量に存在することになりました。
特に「ランダムをかけることが日常となり、譜面の独自性が失われつつある」beatmaniaIIDXにおいては、ゲーム性による差別化は厳しい状況です。
しかし、作風は早々変えられません。作曲には技術的な側面が強く、別の作風で楽曲を作ったとしても、それが付け焼刃であるならば「その作風」を売りにしている他のコンポーザーに劣ってしまうのです。
kors k氏のような多才な作風の楽曲を輩出する作曲者もいますが、生業として曲をコンスタントに生み出さなければならない社員コンポーザーにそれを求めるのは少々厳しいと思います。


ほかにも「BEMANIアーティストの集客力の減少」も考えられます。
音楽ゲームのオリジナル楽曲を作れるのは彼らBEMANIコンポーザーくらいだった時代と比べると、
今はプロ・アマ限らず、誰にでも音楽ゲーム収録のチャンスが訪れる時代となっています。
そういった状況で「音楽ゲームの作曲に特化した」彼らBEMANIコンポーザーが「知名度」だけで勝負できる時代は終わりつつあるのではないか、と考えています。
どちらにしても、「BEMANIコンボーザー頼みのBEMANIシリーズ」の時代は、そろそろ転換点を迎えつつあるのではないでしょうか。


外部提供楽曲の利点は、「限定的なライセンス料の支払い」で済むことです。
裏を返せば、それだけ外部に金銭を支払う必要がある事になり、そのまま欠点となりえます。
もし、多数の音楽家を社員として抱えているBEMANIシリーズが、他音ゲーとライセンス勝負を仕掛ける時代になった場合、どういった結果を迎えるのか。
今後も注目していきたいと思います。



最後に僭越ながら告知を。
今回もコミックマーケットに参加します。三日目の西い20b、外周沿いになっております。
メインはクロスビーツ本ですが、余裕があればBMS関係と、パセリ関係の新作を用意する予定です。
皆様のお越しをお待ちしております。


(12/22追記)






BOF/G2R登録BMS数推移(Ver.20141020)

 今年のBOF(正確には違いますが)G2R2014が開催されました。

 というわけで、今回も前回までと同様に、BMS投稿数の時間経過をグラフ化しました。

 とりあえず、自分の印象としては、

  • 投稿数は2010年程度に減少。ルールの変更やタイトルに「BOF」が無いことによるネームバリューの低さが原因か。
  • 登録期間が2011年と同程度の長さなので増加傾向としては近い形に
  • インプレ開始が投稿期間中にずれ込んでいるため、土曜日の登録ラッシュが目立った

 辺りでしょうか。特に一番下については、サーバーアクセスの分散化がある程度なされたことは特筆すべきことだと思います。

 さて今からインプレ期間です。一日インプレ前倒し&登録数減少とはいえ280曲以上。結果はどうなるのか楽しみですね。

 

20141020 02:26 追記:どうやら鯖落ちが相次いでいる模様。トレントを失った影響は大きそうですね。

ブログ始めました(四度目)

はてダ開設めっちゃ簡単ですね(挨拶)


どうもはるくです。
blogとしてはメインのここだったり、ここだったり、あとはこんなのもあったりしましたが、
メインのブログのデザインがとっ散らかったままTwitterへ情報配信の軸足を移行した関係で、
書くのに少し不自由していました。
Twitterを7年以上「ミニブログ」として利用していたわけですが、
交流面は充実したものの、情報配信の場としては大衆的になりすぎたというきらいもあるため、
ダイアリーとは別の「はてなブログ」の登場でモバイルでも書きやすくなったはてなでの執筆に戻ろうかと思います。

内容としては限定しませんが、自然とアーケードゲー厶メインになると思います。
基本的に推敲は控えめで、アウトプット優先で。Twitter連投と考えていただければ。
それでは、よろしくお願いします。

コミケ直前告知です

お久しぶりです。はるくです。もう半日後に始まりますが急遽告知です(恒例)
コミケ今回も頒布します。場所は西あ-65aです。えっ壁…?


今回の新刊は「ぷよ対戦界の歴史本」になります。なぜぷよ?という理由は以下の紹介ページをご覧ください。

slappin'beats 「ぷよ対戦界の歴史本」告知ページ
http://slappin-beats.sakura.ne.jp/c86/index.html


はるくさんぷよぷよやってたの!?と思われる方はこのblogを結構遡っていただければなんとなくわかっていただけるかと。
7年前くらいにトムソンさんを応援したりしてた模様。


過去作品ですが、だいたい持っていきます。羅列すると、

BMSの歴史本
BMSの歴史本2
・なぜサファリ難民は減らないのか?/音楽ゲームの難易度
・なぜサファリ難民は誕生したのか?
・パセリパセる?(残りわずか)
・これはコンコレですか?(少部数)

・BE-MS Tシャツ(L・2着のみ)
・ガオーTシャツ(S・1着のみ)
・テレテレテッテープダブルバトル
・NAGEKI RAMDOM

辺りです。

いい加減スペースに置ききれなくなったので、欲しいものがあったら口頭で伝えていただければお出しします。
それでは、明日はよろしくお願い致します!

コミケ直前告知です

お久しぶりです。はるくです。もう半日後に始まりますが急遽告知です。
コミケ今回も頒布します。場所は12/31西そ-11bです。同人音楽島近い!誕生日席!
新作(改訂版含)はなんと5つです。
それでは一つ一つ紹介ー


1:サファリ譜面Tシャツ「テレテレテッテッT」
夏に出した「サファリ難民はなぜ誕生したのか?」の裏表紙がTシャツになりました!イラストは広瀬まどかさん!
http://pbs.twimg.com/media/BckjvOaCcAA3srW.jpg


2:テレテレテッテープ DB(ダブルバトル
夏に頒布したサファリ譜面テープが2枚1組のバトル譜面になって再登場!2Pプレーヤーも安心して悪夢が見れます!
http://pbs.twimg.com/media/BckseWLCUAAWiv_.jpg


3:BE-MS(びーぇむぇす)Tシャツ
BMSもTシャツに!?シンプルなデザインで表現してみました!色も各種取り揃えております!
※某アパレルショップとは全く関係はございません
http://pbs.twimg.com/media/BckpcHyCAAAg7kn.jpg


4:これはコンコレですか?〜はい、きつねを集めるゲームです〜
登録者数1万突破のブラウザゲーム「コンコンコレクター」(通称コンコレ)の世界初?の解説本です
http://d3j5vwomefv46c.cloudfront.net/photos/large/830222648.png



5:BMSの歴史本 vol.2 BMS EVENT LIST(2011追記・改訂版)
2010年に出したBMSイベントリストが再登場!1998年〜2011年までのBMSイベントをほぼ網羅!
http://d3j5vwomefv46c.cloudfront.net/photos/large/830225037.jpg



6:クロスビーツのコピー本(仮
カプコンから公開され、プロデューサーがNAOKI氏で話題となっているiOS音楽ゲーム「CROSS x BEATS」。
現在廃人ランキング40位の私がチケットをつぎ込んで感じた、他社の音楽ゲームとのシステムや楽曲についての比較や、
ガチャによって支えられる「基本無料」とは違う「有料ゲーム」の可能性について語った本を執筆する
…予定。(出なかったらごめんなさい)



※実は別にもう一つ進行中の本があったのですが、論述の根拠が弱かったので落としました。
この話はまたいずれします。


他にも既刊・既作品の、
・嘆きランダムカード「NAGEKI RAMDOM」
・なぜサファリ難民は誕生したのか
・なぜサファリ難民は減らないのか/音楽ゲームの難易度
・パセリパセる?
BMSの歴史本
もご用意してお待ちしております!(スペースに入りきるかな…)


まとめは以下の画像とURLです!
http://slappin-beats.sakura.ne.jp/C85kokuchi.png

個人サークル"slappin'beats" 「BMSの歴史本。」等 情報ページ
http://slappin-beats.sakura.ne.jp/


それでは、明日はよろしくお願い致します!

コミックマーケット84に参加します!(「続サファリ難民本」と「テレテレテッテープ」)

すっかり告知とネタ置き場になってしまった当blogです。お久しぶりです。
今回もコミックマーケットに参加します!三日目のペ-60aです!
具体的な場所はと言うと…

ここです。(via pixiv)
入り口前…恐ろしや。


さて、新刊の告知です。
なぜサファリ難民は誕生したのか?〜ネットコミュニティが変えた音ゲー用語の「常識」〜
http://slappin-beats.sakura.ne.jp/C84_SAF1.jpg
と、
THE SAFARI譜面テープ「テレテレテッテープ」
http://slappin-beats.sakura.ne.jp/kokuchi.png

です。



詳しい内容については以下のサイトに載せてあります。

個人サークル"slappin'beats" 「BMSの歴史本。」等 情報ページ
http://slappin-beats.sakura.ne.jp/


本の方ですが、端的に言うと、以下の内容となっています。


さて、音ゲーの「常識」とは?
詳細はtwitterを辿ってください。18ツィートに及ぶ長文ですが、まだ半分も話せてません。残りは本文で。
それでは、よろしくお願い致します!

テトリス大好き男に「どのテトリスが好き?」と訊ねられたとき、女はどう答えたらいいの?(解説付き)

増田で次のような記事がありました。

テトリス大好き男に「どのテトリスが好き?」と訊ねられたとき、女はどう答えたらいいの?
http://anond.hatelabo.jp/20130511190758

これを書いたのが誰だかは分かりませんが(棒
解説が必要だと感じたので、こちらで全文無断転載して脚注を入れたいと思います。
随時追加する予定ですので、質問がありましたらどんどんお寄せください。


あ、たぶんこの記事は、当blogのこの辺りの記事を基にしていたんじゃないかなあ…とは思います(赤棒

[TGM]モテるテトリス・ザ・女子力を磨くための4つの心得「大型ゲーセンではデカリスを遊べない女をアピールせよ」等
http://d.hatena.ne.jp/har-k/20110512/1305214112

テトリスオタが非オタの彼女にテトリス世界を軽く紹介するための10本
http://d.hatena.ne.jp/har-k/20080908/p1


以下、転載本文です。<転載ここから>
あ、まず前提として、
女がテトリス大好き男を夢中にさせることが、
はたして貴女を幸福にするかどうか、それはまた別問題だけれど。
とはいえ、テトリス大好き男たちは玉石混交ながら、
IT系の超かしこい男なども多く、
したがって、釣り師たる女たちにとっては、
なかなかあなどれない釣り場です。


では、テトリス大好き男に「どのテトリスが好き?」と訊ねられたとき、
貴女は、どう答えれば理想的でしょう?
まず最初に、その男がG-Modeのケータイテトリスのようなタイプのテトリス
あとは麻雀アプリ、そして(散財するほどではないけれど)パチンコが大好きな、
そんなタイプの場合は、
貴女はかれの目を見て、微笑みとともに質問など無視して、こう言いましょう、
「わたしが、一緒にテトリス対戦してあげる♪」
これこそまさに必殺の答えです。
そこでテトリス大好き男が、えへへ、とやにさがったならば、
貴女は、ひそかに、「値段が手ごろの3DSバンナムテトリス*1」あたりを
ひそかに練習しておきましょう。これで成功まちがいなしです。


しかし、ここでは、もう少しハイブロウな(?)いわゆるテトリス好きの男の
落とし方をお伝えしましょう。
この場合、貴女は、こう答えましょう、
「わたしは、アリカのTGMシリーズ*2が好き。
2でよく遊ぶ*3の、NORMALはがんばればクリアできるし、
MASTERモード*4で20G*5にチャレンジするのも、大好き♪」
もしも貴女がそう答えたならば、その瞬間、テトリス大好き男の目はきらりと輝き、
かれの貴女へのGRADEは、
2段階UPになるでしょう。*6


なぜって、TGMシリーズは、
ちょっぴりハイクラスなテトリスで、
回転法則は比較的自然で、
落下速度は早いながらも、そこがまた
ちょっぴりロシアの冬の厳しさみたいなふんいきをかもしだしていて。
しかもTGMシリーズが(WORLDルール*7以外で)ふるまっている回転法則は、
日本のセガテトリスからのスタンダード*8を、
質高くふるまっていて、なおかつ、
20Gモードを売りこんだ功績もあって。
したがってTGMシリーズこそは、
本来なんの接点もないまったく縁もゆかりもない別々の世界に生きている、
宇多田ヒカル*9似の綺麗系OLと、玉もあれば石も混じっている、そんなテトリス大好き男たちが、
この世界で唯一(いいえ、歴代名作テトリスセガテトリス*10BPSテトリス*11と並んで唯三)遭遇しうる場所です。



では、参考までに、危険な回答を挙げておきましょう。
テトリス大好き男に「どのテトリスが好き?」と訊ねられたとき、
貴女がこう答えたとしましょう、
「デカリス*12が好き♪ 週3回は、ラウンドワンで立ちプレイ*13するの。」
その瞬間、テトリス大好き男の貴女への恋心は消えます、
なるほどデカリスは、人気のゲームメーカーセガの製品、
レバーはデカブツながら、ま、無難にまとめてあるものの、
しかし、「ランキングはなんと1000位まで!*14」とかなんとか無意味な自慢を吹聴し、
テトリスについての(即死ゲーという)謬見を撒き散らした*15罪がありますから、テトリス大好き男にとっては天敵なんです。
また、もしも貴女が「ミニテトリス*16が大好き♪ あたしの持ってるミニテトリス、キーチェーン型だけで7つあるよ♪」
と答えたとしても、同様の効果をもたらすでしょう、
なぜって、ミニテトリスは、1996年には全国で大ブームだった*17ものの、
しかし流行った年そうそうから、たまごっちブーム*18の余波で転落し、
いまや、あの価格帯では、DLゲーに遥かに及びません。


またもしもたとえあなたがテトリスが大好きで、
「わたし、テトリスキワメミチ*19が好き、ノーマルも遊ぶけど、
最高に好きなのはチェインカラー♪*20 スコア効率も、レベルアップもすっごくおいしいの。」
と、答えたとしたらどうでしょう?
なるほど、貴女の趣味はレベル高く、
たしかにテトリスキワメミチは、内装(デザイン)が chick であるのみならず、
6つもあるモードも最高においしい(クソゲー的な意味で)んですけれど、
しかし、貴女の答えを聞いて、テトリス大好き男はきっとおもうでしょう、
(なんだよ、カンストしないゲーム*21だな、カネかかりそう)って。


貴女が、テトリスが大好きで、名作の名を挙げるにしても、
たとえば、任天堂テトリスDSならば安心でしょう、
なぜならば、テトリスDSは、ふつうのOLにもマニアにもともに愛されるめずらしいテトリス*22で、
貴女がその名前を挙げても必ずしも、あなたがテトおた宣言をしているとは受け取られないでしょう。
しかし、たとえば、ディズニーが誇る超絶前衛お邪魔ブロックの名作、「マジカルテトリスチャレンジ featuring ミッキー」*23にせよ、
家庭用キャラゲーでありながらすばらしい操作性の「テトリス with カードキャプターさくら エターナルハート」*24にせよ、
フェミニンな絢辻さんとのストーリーが素敵においしいアマガミテトリス*25にせよ、
過去の名作だけでなく新作テトリスがおいしいテトリスコレクション*26にせよ、
ネット対戦の軽やかさが優美なテトリスオンライン*27にせよ、
気さくな教授と助手子が探検する素敵にトゲ即死ゲー100円貯金箱の、テトリスプラス2*28にせよ、
テトリス派生ゲーの最高峰ボンブリス*29、はたまたジュエリーマスター*30にせよ、
そういうマイナーテトリスの名前をいきなり挙げるのは、ちょっぴり微妙。
ましてや貴女が、「池袋のはずれ(江古田)*31でやるブロックアウト*32が大好き♪ わたし、もうほとんどブロック全種類の出現位置、覚えちゃった♪*33
と答えたならば、どうでしょう?
これはかなり博打な答え方で、なるほど、ブロックアウトは、3Dのテトリスなのに回転ボタンが2軸しか無い*34超絶難度のテトリス派生ゲーゆえ、
あなたがそう答えた瞬間、テトリス大好き男がいきなり超笑顔になって、鼻の下が5I*35になる(だら〜んと伸びちゃう)可能性もあるにはありますが、
しかし、逆に、(なんだよ、この女、えびせん勢*36かよ)とおもわれて、どん引きされる可能性もまた大です、
なぜって、必ずしもテトリス大好き男がブロックアウト大好き女を好きになるとは、限らないですから。
しかも、この答えには、もうひとつ問題があって、
男たちは、女を導き高みへ引き上げてあげることが大好きゆえ、
もしも貴女が、「ブロックアウトが大好き♪」なんて言ってしまうと、
そこにはもはや、男が貴女をテトリス教育する余地がまったく残されていません、
したがって貴女のその答えは、
テトリス大好き男の貴女への夢を潰してしまうことに他なりません。


ま、ざっとそんな感じです、貴女の目には男たちはバカでスケベで赤棒厨に見えるでしょうが、
しかし、ああ見せて、男は男で繊細で、地形が傷つきやすく、女に夢を持っています、
貴女の答え方ひとつで、男の貴女への夢は大きくテトリス全消しもすれば、
一瞬で、ゴゴり窒息死*37もするでしょう。



では、スキットを繰り返しましょう。
「わたしは、アリカのTGMシリーズが好き♪
2でよく遊ぶの、NORMALはがんばればクリアできるし、
MASTERモードで20Gにチャレンジするのも、大好き♪」
そして、その瞬間、テトリス大好き男の目がらんらんと輝いたなら、
貴女はこう重ねましょう、
「それからね、いま、わたしが行ってみたいお店は、
小平のピア21、テトリスがいっぱいある素敵なお店って噂を聞いた*38から。
あなたのお暇なときがあったら、わたしをピア21へ連れてって♪」
これでもう完璧です。
そうなったらこっちのもの、デートの日には、薄暗い店内に合うアイメイクをばっちり決めて、かわいい下着をつけて、
メーカーはどこでもいいのでゲーセン向けの可愛いワンピを着てゆきましょう。
その日から、テトリス大好き男は貴女の虜になるでしょう。
では、釣り師としての貴女の、愛の幸運と幸福をお祈りします!


ぼくと女友達とテトリス、ときどきぷよぷよ*39


元ネタ:
http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13002457/dtlrvwlst/3464106/
<転載ここまで>
私からは以上です。

*1:大抵の新ハードで作られるテトリスだが、3DSバンダイナムコが開発した。

*2:あくまでストイックなテトリスとして唯一無二の存在を示すシリーズ。アーケード版メインで現在TGM3まで出ているが、4、5の開発は途中で中止になった経緯があり、現在続編は発売していない。

*3:TGMシリーズのナンバリングシリーズのニ作目。大抵は販売好評により無償でバージョンアップされたTAPと呼ばれる作品のことを指す。初心者から上級者まで楽しめるバランスの良い内容に仕上がっている

*4:TAPのメインモード。999レベル到達後、スタッフロール終了まで耐えきることでクリアとなる。成績によってグレードが設定され、自分の実力が分かるようになっている

*5:予告で表示されたブロックが落下モーションを介さずに地表まで落下する状態。MASTERの500レベル以降からこの状態になる。落下中の操作が出来ないため、ブロックを「滑らせる」事によって左右に捌くことになる

*6:MASTER等で使われているプレイ評価。実力が分かるように細分化されている

*7:テトリスの権利を持っている団体が設定しているテトリスの回転法則。比較的初心者でも対処しやすいような法則になっているが、直感的でない法則なので日本での評判は悪い

*8:日本での基本的な回転法則。前述のワールドルールとは相反するため団体と対立していた

*9:テトリスDSをやりこんでいた芸能人のひとり。エンドレスカンストまでやるのには根気が要る為、彼女以外の報告は少ない

*10:アーケードで大ブームを博した作品。カンストまでの少手数を競うスコアアタックも盛んに行われ、電源投入時のパターンまで研究された

*11:世界的にブームになり、様々な機種に移植されたテトリス。日本としては許可を取り付けて任天堂が販売したGBテトリスの方が有名か

*12:セガが発売したアーケードのテトリス。レバーは両手で抱えなければならないほど大きく、回転ボタンはレバーにくっついている。そういえばデカ筐体はシリーズ化する話があったけどどうなったの?

*13:でかいので立ってやらないとプレイできません。今は殆ど置いてないのであったらレアです。

*14:ランクアップが常に表示されるのだが、下位はあっという間に通過するのであんまり見てられない

*15:フィールドが高さ7列しかなく、テトリスする事すらままならない

*16:キーホルダーサイズのテトリステトリスだけでなく、他のブロック型ミニゲームが出来るものもあった

*17:今のブームで考えると、パズドラレベルだと思われます

*18:キーホルダーサイズのゲームの火付け役はテトリスだったが、最大のブームはやはりたまごっち。リアルタイム育成要素恐るべし

*19:サクセスが発売したポストTGMシリーズとも言えるハイレベルテトリス。ワールドルールを採用したが、回転法則以外の独特の操作性や、高速化したときの難易度が跳ね上がる点から敬遠された。余談だが、Wikipediaテトリスの項目ではアーケード版が無かったことにされている

*20:モードの一つ。消去後の連鎖によりスコアがアップするが、落下するブロックは直感的ではない。

*21:基本的にエンドレスゲームなので終わりが見えない。全一争いは規格外である

*22:初心者にもスコアや対戦成績を競う上級者にも優しいテトリスはさすが任天堂製と言わざるを得ない。

*23:おじゃま要素をせり上げではなく、ブロックの形を変形させることによって対応した作品。15ブロックの塊とかも降ってくるが、せり上がりによる事故よりも実力によって対処できる場合もあるのでこれはこれでおもしろい作品である。ただし、CPUは鬼畜

*24:アリカ製のテトリス。家庭用で純粋なTGMルールを採用しているのはこの作品のみなので、家庭用で操作を練習するにはこれを遊ぶしかない

*25:DL販売されたWindows専用ソフト。全三作で絢辻さんは3作目。現在は販売されていない

*26:セガテトリスブロクシードなどの過去のセガテトリスが多数収録されている事に加え、新作品であるニューセンチュリーも評価が高い

*27:テトリスの準公式のネット対戦用ブラウザソフト。現在は運営を終了している

*28:フィールドを歩き回るキャラクターを最下段まで落とすモードがある。上部にあるトゲに挟まれると即死なので、効率よく消す能力がないと非常に難しい

*29:単に列をそろえても消去されず、ブロックに含まれる爆弾を絡めて列をそろえ、爆発時の爆風によってブロックを消す派生ゲーム。

*30:テトリスの要素に加え、宝石を消す要素も含まれる、クレオパトラフォーチュンに酷似したゲーム。アリカが開発を行った

*31:西武池袋線で三駅。ゲームセンターのえびせんがある

*32:超絶難易度の3Dテトリス。内容は後述の通りだが、最初からアーケード版に手を出しても即死するだけなので、iOS版もあるのでそちらで練習することをオススメする

*33:操作性故、これらを覚えることが高難易度突破の鍵とも言われる。まあ、廃人である。

*34:3軸目は組み合わせで対処できるが、何で付けなかったの…と言わざるを得ない

*35:5列の縦棒の呼び名。最初の数字がブロック数、後のアルファベットが形であり、他にもいろいろある

*36:数々のアーケードゲームのハイスコアを輩出しているゲームセンターのような何かである

*37:一瞬の油断で即死すること。1秒で3個くらいブロックが落ちてくる事もあるTGMシリーズでは日常茶飯事です

*38:小平にあるゲームセンター。テトリスが常時6,7台ほど並んでいる珍しいゲームセンター。毎月一回、初代TGMのハンデ付き大会が開催される。参加条件は比較的緩く、ランカーではない人でも優勝のチャンスがあるので、是非ご参加を。

*39:ぷよぷよの対戦関係についても何か書きたいですね